AWS IoT 再入門ブログリレー – Amazon Location Service編
こんにちは、CX事業本部の若槻です。
本企画は、弊社チームIoTメンバーが初心に返ってIoTサービスについて学びなおし、解説してみようというものです。本記事では、『Amazon Location Service』について紹介します。
Amazon Location Serviceとは?
Amazon Location Service(またはAmazon Location)は、地図や位置情報などの地理情報リソースを管理し、またこれらのリソースにAPIやSDKでアクセスしてアプリケーションに統合することができるAWSサービスです。
現在、Amazon Locationでは以下の4種類のリソースを利用することができます。
- Maps
- Places(Place indexes)
- Geofences(Geofence collections)
- Trackers
Maps
Mapsを使用すると、ライブラリを介してアプリケーションに地図を埋め込んで表示することができます。Mapsの地図はパートナープロバイダーであるEsri社またはHERE Technologies社が提供する6つのスタイルから選択できます。
- Esri Light:基本的なスタイルの地図。
- Esri Street Map:道路、鉄道、公園、建物などの境界が強調されている。
- Esri Navigation:モバイルデバイスでのナビゲーション用途。道路、鉄道、その他の交通機関が強調されている。
- Esri Dark Gray Canvas:暗いグレーの背景を使用し、目的のコンテンツが強調されるようにしている。
- Esri Light Gray Canvas:薄いグレーの背景を使用し、目的のコンテンツが強調されるようにしている。
- HERE Berlin:2.5Dの建物が配置されている。
下記はMapsの地図をアプリケーションに埋め込んだ様子です。地図はタイル単位で表示され、拡大や縮尺、移動などのインタラクティブな操作が可能となります。
Places
Placesは位置情報を示すインデックスです。PlacesのAPIを使用することにより住所と緯度経度の相互変換(ジオコーディング、リバースジオコーディング)が可能です。こちらもEsri社またはHERE Technologies社が提供するインデックスから選択できます。
PlacesとMapsの機能を組合わせることにより、ユーザーに対して地図上での検索機能やマーカー表示機能を提供することができます。
Geofences
Geofencesを使用すると、任意のジオフェンス(地図上の仮想境界)を作成して保存し、管理することができます。
Geofencesの境界はアプリケーションに組み込んだMapsの地図上で視覚的に表すことができます。
Trackers
Trackersは、デバイスから位置情報の更新を受信し、デバイスの現在位置や位置履歴を照会することができる機能です。このTrackersをGeofencesにリンクして、Geofencesの境界へのデバイスの出入りを監視することができます。
下記ではMapsの地図上にTrackersとGeofencesを表示しています。デバイスが搭載された車両がGeofencesの境界に入ったこと(Enter)をトリガーにして視覚的なイベントを発生させています。
また、次の記事のようにTrackersのGeofencesの境界への出入りをトリガーにしてAmazon EventBridgeなどへイベントを発行し、通知などを行う実装も可能です。
利用可能なリージョン
- US-East (N. Virginia)
- US-East (Ohio)
- US-West (Oregon)
- EU (Ireland)
- Asia Pacific (Tokyo)
Amazon Location Service FAQsより。
価格
Amazon Locationには、モバイルデバイス資産の用途ごとに以下の3種類の従量プランがあります。
地図、位置情報の表示 | 追跡 | ルーティング | |
---|---|---|---|
Request-Based Usage | Yes | No | No |
Mobile Asset Tracking | Yes | Yes | No |
Mobile Asset Management | Yes | Yes | Yes |
詳しくは下記をご覧ください。
おわりに
Amazon Location Serviceについてのご紹介でした。
地図の表示や位置情報インデックスなどの基本的なロケーション機能を抑えつつ、ジオフェンスやトラッカーなどのモバイルやIoTデバイスなどと親和性のあるユニークな機能も備えており、まだまだAWSの中では新興サービスではありますが、要件に応じてはフィットするシチュエーションがありそうだと感じました。
参考
- Amazon Location — マップと位置の認識をアプリケーションに追加 | Amazon Web Services ブログ
- アプリケーションに安全・安価に位置データを追加可能なサービス『Amazon Location Service』がリリースされました! | DevelopersIO
- Amazon Location Service – Maps, Geocoding, Geofences, Tracking – Amazon Web Services
- Overview - Amazon Location Service
- AWS新サービスAmazon Location Serviceとは? - Qiita
以上